ユニフォームの歴史

昔は看護師のユニフォームといえば、白いワンピースとナースキャップが一般的でした。しかし、今ではナースキャップはほとんどの医療機関で廃止され、ワンピースではなくパンツスタイルが主流です。なぜ看護師のユニフォームは伝統的なスタイルから変化していったのでしょうか。
まずはナースキャップですが、廃止されたのは衛生上に問題があったからです。ナースキャップは形状を保つために糊で接着されています。しかし、接着剤には細菌やウイルスが付着する可能性があり、ユニフォームのように毎日交換するわけではないため、細菌やウイルスが増殖して病気の感染源になるリスクがあります。
また、頭にかぶせてピンで留めるだけなので、手術用のキャップほど実用的ではありません。むしろ、点滴台やカーテンに引っかかって業務に支障をきたし、元に戻すのに手間がかかってしまうこともあります。それに、一昔前までは「看護師といえば女性の仕事」というイメージがありましたが、最近は男性看護師も増加しています。1985年に制定された男女雇用機会均等法によって、「看護師」という言葉も生まれ、「看護師は女性だけの職業ではない」という考えが広まったこともあり、ナースキャップを廃止する動きが加速しました。
ワンピースからパンツスタイルへ

男性看護師の増加によって、ナースキャップが廃止されただけでなく、ユニフォームも男女の区別をなくすためにワンピースからパンツスタイルへと変化しました。看護師は基本的に立ち仕事が多く、足を開いて力を入れて作業をするような業務もあります。そのため、動きやすさを考慮したパンツスタイルにする人も増えました。スカートを着用する場合はストッキングをはく必要がありますが、パンツスタイルはその心配がなく、体の露出もワンピースほどありません。今では看護師のユニフォームとして定番となっています。
ナースシューズも変化した

ワンピースが主流だった頃はサンダルをはく看護師が多かったのですが、パンツスタイルが流行るにつれ、スニーカーをはく看護師が増えました。スニーカーは動きやすくて疲れにくいうえ、足全体を包み込むので、落下物や液体の飛沫から足を保護できます。総合病院や大学病院など、すでにサンダルの使用を禁止しているところもあるそうです。
バリエーションが多い

このように、看護師のユニフォームは時代とともにさまざまな変化を遂げています。デザインや色のバリエーションも増え、おしゃれなものや機能性に特化したものなど、さまざまなタイプが登場しています。